土佐古代塗は完成までに、実に30近い工程を経る。
木地にへらや刷毛で漆を塗り、 乾燥むろで一晩固めたあとザラ地模様をつける。
次に漆を塗った上から朱の顔料を蒔き再び乾燥。さらに全体に黒の漆をかけまた乾燥、
その後錆字を研ぎ出し磨く。
といった工程が繰り返される。
こんにち漆器業界に於いて、量産が可能な合成樹脂等による製品の普及、作業の分業
化が図られる中、いたずらに効率を追いかけず、すべての工程を自らが行い,昔ながら の手間と根気の要る手法をかたくなに守っている。
現在高知でも,この土佐古代塗を作れるものは私1人になってしまいました。
他の塗り物に見られる華やかさは無い代わりに、使い込むほどにしっとりとした朱と黒の
深みのある味わい。更に漆器中最強と自負する堅牢さを、是非お手元に於いてお確か めください。
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